小規模事業者持続化補助金の対象者と補助率、経費の例
小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)の第20回公募について、従業員数による対象者の線引き、補助率2/3と上限50万円、インボイス特例と賃金引上げ特例の上乗せ、機械装置等費やウェブサイト関連費などの経費の例、商工会議所・商工会の事業支援計画書が必要な理由を説明します。
制度の目的
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら経営計画を作り、それに基づいて販路開拓や業務効率化に取り組む費用の一部を補助する制度です。中小企業庁の予算で、商工会議所地区と商工会地区で事務局と公式サイトが分かれています。第20回(一般型 通常枠)の公募要領は2026年5月27日に公開され、現在は第8版です。申請受付は2026年11月5日から12月15日17時まで、商工会・商工会議所への事業支援計画書(様式4)の発行依頼は12月4日が締切です。
対象になる事業者
対象は「小規模事業者」で、常時使用する従業員の数で判断します。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業は20人以下、製造業その他は20人以下です。従業員数は申請時点で判断し、中小企業基本法上の常時使用する従業員を指すため、パート・アルバイトの扱いは公募要領の注記で確かめてください。事業終了まで小規模事業者であることが必要です。
補助率と上限
補助率は2/3、補助上限は50万円です。75万円(税抜)の経費なら50万円が補助されます。これに2つの特例があります。インボイス特例は、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換した事業者が対象で、上限が50万円上乗せされます。賃金引上げ特例は、事業場内最低賃金を公募要領の定める水準まで引き上げる計画を立てた事業者が対象で、上限が150万円上乗せされ、赤字の事業者はさらに補助率が3/4になります。両方の要件を満たすと200万円が上乗せされ、上限は合計250万円です。
特例を希望して要件を満たさなかった場合は、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付対象外になります。達成の見込みがある場合にだけ選ぶものです。
対象経費の例
対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8区分です。いずれも、策定した経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取組に必要なものに限られます。
機械装置等費は、補助事業の遂行に必要な機械や設備の購入費です。通常の事業活動のための費用や、単なる取替え更新は対象外です。1件50万円(税込)を超える購入には2者以上の見積が必要で、単価50万円(税抜)以上のものは処分制限財産になります。中古品は単価50万円(税抜)未満で、2者以上の中古品販売事業者からの見積がある場合に限られます。
広報費は、補助事業計画に基づく商品・サービスの広報が目的のものに限られ、単なる会社のPRは対象外です。ウェブサイト関連費は、販路開拓のためのウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・運用の費用で、申請額の上限は30万円(税込)です。広報費とウェブサイト関連費は、それだけでの申請はできず、必ず他の経費と組み合わせます。POSソフトのような業務効率化のソフトは、計画の「業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限ってウェブサイト関連費で計上できます。展示会等出展費は出展料と関連する運搬費・通訳料などが対象で、出展の申込みだけは交付決定前でも構いません。
商工会議所・商工会との関わり
この補助金は「商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む」ことが要件です。申請前に電子申請システムで経営計画(様式2)と補助事業計画を入力し、印刷した内容と特例・加点の書類を地域の商工会議所に持ち込んで「事業支援計画書(様式4)」の発行を受けます。商工会地区では電子申請システム内で発行依頼を行います。発行には日数がかかり、12月4日の受付締切以降の発行依頼はどんな理由があっても受け付けられません。採択後も、補助事業の実施にあたって助言を受けることになっています。
申請は事業者自身が電子申請システムで行います。商工会議所の経営指導員は計画作りについて助言しますが、計画を書くのは事業者です。報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士に限られます。
審査の観点
審査は提出書類のみで行われ、ヒアリングはありません。基礎審査で、提出資料の不足や、対象者・対象事業・対象経費の要件に合わないものは失格になります。計画審査では、自社の経営状況分析の妥当性、経営方針・目標と今後のプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性の4項目で加点審査が行われ、総合評価の高い順に採択されます。いずれの項目でも、売上高・売上総利益の増加を目指す内容になっているかが問われます。過去に採択を受けた事業者は、以前の事業と明確に異なる新たな事業であるかも審査され、実施回数に応じて段階的に減点されます。計画の書き方は採択される事業計画の書き方にまとめています。
出典
- 小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区)第20回: https://r6.jizokukahojokin.info/
- 第20回公募要領(第8版): https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover8_ip20.pdf
- 小規模事業者持続化補助金(商工会地区): https://official.jizokukanb.com/
- 中小企業庁 公募情報(2026年5月27日): https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260527002.html